ジオン独立戦争開戦直前、ジオン公国軍は試作兵器の試験と評価を行う技術試験隊を編成する。
その中のひとつ、第603技術試験隊に配属されたオリヴァー・マイ技術中尉は、技術本部長アルベルト・シャハトの命令により、試作兵器の評価試験を行うこととなる。
試験支援艦ヨーツンヘイムに乗艦したマイは、ルウム宙域で試作艦隊決戦砲「ヨルムンガンド」の、北米アリゾナの砂漠で試作モビルタンク「ヒルドルブ」の、地球軌道上でモビルスーツ「ヅダ」の評価試験を行う。
戦争の長期化に伴い、試作兵器をも戦力化せざるを得ない状況や、ジオン公国内部の政治闘争に疑問を抱きながらも、マイは自らの職務を果たそうとする。
そして、その中で彼は試作兵器だけではなく、それに関わり兵器に自身を投影するパイロットたちの姿を目の当たりにするのだった……。
via:GUNDAM.info
EMS-10 ヅダ
ザクの後継機開発で、一度は候補から除外された機種ですが、戦局の悪化から再び実戦試験に赴くことになります。
そのことを察知した連邦軍がプロパガンダで、ヅダを分解の危険がある欠陥機まで投入しなくてはいけないジオンがかわいそうと揶揄します。
パイロットのデュバル少佐は、ヅダの優秀性を証明しようと、その機会をうかがいますが、戦局はそれを許しませんでした。
オデッサ作戦により、ジオン軍は地球から総撤退、軌道上には救助待ちの脱出ポットが無数に漂うことになりました。
そこを襲う連邦軍。
地上型ザクは、宇宙空間で溺れまともに応戦できません。
その時、デュバル少佐はヅダで出動。
ボール多数を撃墜して多くのジオン兵を救います。
しかし、同じタイミングで実戦投入された連邦軍のジムに「欠陥機」とバカにされます。
デュバル少佐は、単機でジムを引きつけ限界速度を突破。
同じくオーバーヒートを起こしたジムを道連れに、大気圏で燃え尽きます。
戦場ではなく政治的駆け引きや、プロパガンダの世界でその運命をほんろうされた名機。
本来の性能を発揮する機会も恵まないままでしたが、パイロットの命と機体を引き換えに、多くの味方を救うチャンスを与えられた戦場のあだ花といえます。
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